昨年7月、天王洲運河をまたぐ東京都道316号日本橋芝浦大森線沿いのウォーターフロントエリアに、oak港南品川は竣工しました。品川といえば、歌川広重の浮世絵にも描かれているように、江戸時代には船溜まりとして栄えた地域。
こうした歴史的地域特性を反映してデザインされたビルは、四角帆をイメージさせるPCa板ユニットを、リズミカルなパターン配置をすることで圧迫案を軽減したファザードです。また、1フロア約326坪の無柱空間も、江戸の運河に浮かんでいた和船から学んだ外殻構造を採用したことで生まれました。高い天井と大きな窓面、柱間3.6mが明るく開放的なオフィスを創出しています。
さらに、同ビルはSグレードの耐震性能を実現した免震構造であり、非常時には専有部に72時間10VA/㎡の電力を供給するなどのBCPにも対応。PCaフレームには給排気、自然換気といった設備システムが組み込まれており、自然換気が可能で、LED照明には明るさセンサーを採用するなど、高い安全性を確保しつつ、快適性をも備えた超高性能オフィスビルでもあります。
オフィスフロア同様、免震構造を持つ地下駐車場には、日精の水平循環方式「フレキシブルパーク」が採用されています。変則的な敷地の形状でも自由に設計できる利点を活かし、2層で40台を収納。2層目はSUV車やミニバン、ワンボックスカーも駐車することができるハイルーフ対応です。
そして、同ビル駐車場の最大の注目点は、リコモンで入出庫操作ができること。リモコンを持つドライバーは、車を降りることなく、乗降室まで進むことができます。もちろん、車の呼び出しもリモコンの操作一つ。車の出し入れ時に発生する待機ストレスが一挙に解消されました。
「フレキシブルパーク」は、乗降空間のバリアフリー化をはじめ、電気自動車の対応や自動二輪車の収納など、最新のオフィスビルには必要とされる先進性も対応可能です。先端技術とノウハウを持つ日精の「フレキシブルパーク」だからこそ達成できた駐車場空間と言えます。
断面図
据付図
オートドア閉時
オートドア開時
乗降室(スクエア―リフト4本柱・180度トレー旋回・免振対応)
リフト(免振層下待機)
格納部(側面)
トレー旋回時(180度旋回)