いつも大阪は商人の街として語られますが、この大阪商人の旺盛な経済活動を下支えしているのが「街の信金さん」こと、各地域の信用金庫です。
信金中央金庫は昭和25年の設立以来、全国信用金庫連合会として信用金庫業界の発展に大きく貢献してきた、信用金庫の中央金融機関です。
一昨年、創立50周年を機に、その業務内容に相応しく、「信金中央金庫」と名称を改め、「信金中央金庫」「信用金庫」「一般の客」の三位一体の協調発展を目指して新しいスタートを切りました。
運営方針のひとつ「地域の一員として、信用金庫とともに地域の発展と活性化に貢献する」との理念に基づき、信金中央金庫ビルも、昨年6月に新しく建て替えられました。
この新しいビルが立つ場所は、地下鉄の「谷町四丁目駅」付近で、通称「たにょん」と呼ばれる地域です。このあたりは、大阪城、大阪城公園にも近く、大阪府の合同庁舎や、法務局などが集まる大阪の官庁街として知られています。
また、最近では谷町四丁目から南の谷町六丁目、西の北浜にかけて大小のギャラリーが並び、府立現代美術センターをスタートにした「アートなお散歩コース」として人気を集めています。
新しい信金中央金庫ビルは地下1階、地上10階建て。ビルの前面には総合設計制度による公開空地が設けられ、植え込み等、樹木がアレンジされています。
1階は広々としたエントランスホルと駐車場の入り口、ATメートルコーナーのみというゆとりのある空間を設け、来訪された方々に、開放感を提供しています。
更に、白とグレーの濃淡でまとめられたスマートな印象のホールは、前面ラスの吹き抜けになっており、さりげないくつろぎの空間を演出しています。
各フロアは、天井高を2.7メートルにするなど従来の標準より、ゆとりのある空間モジュールを採用しています。また、ワンフロアを4ブロックに分け、ブロック単位での調節ができる空調システ設けられているので、オフイスにありがちな過剰空調を防ぎ、快適なビジネス空間が約束されています。
こうした先進的なOAオフィスの創造に一役買っているのが、床下に装備された100メートルのフリーアクセスフアです。同軸ケーブル等の配線スペースを確保し、自由なレイアウトを可能にています。本格的な高度情報化時代に対応するため、60VA/平方メートルの電気容量を確保しているので、ハイレベルなOA化にもスムーズに適応できるようになっています。
絶好のビジネスロケーションに加えてハイクオリティな設備が充実したこのビルは、今後ますます商都大阪のビジネス拠点として注目を集めていくことでしょう。
地下には26台を収容する駐車場が設けられています。このビルへのカーアクセスはビル側面の一方通行道路からとなっていますが、車寄せ、玄関、駐車場ターンテーブル、出口への移動がスムーズにできるスペースが設けられています。
1階の玄関脇に設けられた車寄せ2台分の駐車スペースのうち、1台分は身障者専用となっており、路面からフラットアクセスができるバリアフリー構造になっています。
今回採用されました駐車設備は、平面効率を最大限に活用できる日精の水平循環方式「LEVELパーク」です。この水平循環方式「LEVELパーク」は8台から50台まで、様々な地下レイアウトにフレキシブルに対応した地下式駐車設備です。設計上の高い自由度を保証し、駐車スペース確保の問題をスマートに解決しました。
大都市特有の「狭い立地」条件のなかで、最も効率よく駐車スペースを確保することが設計上の課題となるケースは、決して珍しくありません。
これまでも地下式駐車場に対するニーズは高かったものの、近年とみに土地の有効活用との視点から、具体的な方法論として地下スペースの有効活用が注目を集めるようになりました。
こうした傾向は、多くの製品ラインナップと納入実績を持つ日精の地下式駐車設備への期待と注目として、さらに高まっていきます。
乗込階平面図(1階)
乗込口の閉口時
乗込口の開口時
入出庫口スペースは広く取られ車の出し入れがスムーズに行える