仙台市に、今年3月、またひとつシンボリックな都市型複合ビルが誕生し、人々の話題を呼んでいます。
JR仙台駅の北側にオープンしたビルの名称は「アエル」。今年から来年にかけて市内中心部には幾つもの大型ビルが竣工予定ですが、その中でもアエルは群を抜く規模の巨大さと立地条件のよさ、先進性などから「エース登場」と期待されています。
アエルが立地する地域は、戦後復興土地区画整理事業の施工区域から除外されたため都市基盤整備が遅れ、仙台市にとってはその開発が長年の課題となっていました。そして1970年、最初の調査が開始。ところがオイルショックで一時中断。その後も計画は何度も経済状況の変化に遭遇し、歳月を費やすことになります。ようやく事業計画が決定されたのは、1988年になってからです。
仙台市の賑わいの中心である4つの商圏に至るT字型ゾーンの起点として。また、駅周辺から伸びる新たな業務集積ゾーンの核として。あるいは、その結果もたらされる中心部のさらなる活性化。そして、もちろん、高度情報化都市施策の象徴としても、アエルは大きな期待を担っています。仙台発のグローバルな情報が世界に向けて発信される日も間近です。
超高層でありながら、杜の都にふさわしい穏やかさをもつアエルの外観は、同時に凛とした美を放ち、進化する仙台の息吹そのものであるかのように、明るい未来を感じさせます。
規模は地上31階・塔屋2階、地下3階。延床面積は73,131平方メートルに及ぶ、まさに東北一の高さと容量を誇る巨大ビルの誕生です。主要用途は1〜4階が商業ゾーンで、最上階の3階にはそれとの関連で展望レストランを設置。5〜7階は公益的施設で、さらに大部分を占める8〜30階はオフィス床となり、一流企業や団体が多数入居する県内屈指の最先端オフィスゾーンとなりました。
ちなみにアエルの基本コンセプトは、「あたらしき/常に新鮮な感動にあふれ」「おもしろき/多くの人々が集まり交流し」「めずらしき/東北、全国、そして世界に向け情報発信の拠点となる」となっています。
ビル自体がもつ先進性はもとより、ハードとソフトの両面を重視した新たな都市開発整備によって、今後アエルを拠点にさまざまなシーンで、ダイナミックかつ活気に満ちた活動が展開されることでしょう。
地下には、法定附置義務を上回る311台分のパーキングスペースが確保されました(他に自転車、バイク用として450台)。駐車場整備はいまや、地域開発にとって不可欠な要素。とくにクルマ社会といわれる地方においては、ターミナル駅周辺やショッピング街に充分なパーキングなくして多くの発展は望めません。
アエルでは将来、公共駐車場との接続も視野に入れ、大規模駐車場対応の出入口が設けられました。
また、限られた都市空間をより有効に使うために、アエルは機械駐車設備を積極的に導入(189台)。機種は日精の多層循環円型方式AUROパーク。初心者にも使いやすく、取り出し時間が早い点が最大のメリットです。人の出入りの頻繁な大規模ビルにとっては、まさに待望のパーキングといえるでしょう。
多層循環円形方式AUROパーク
乗込口の閉口時
乗込口の開口時