六本木、汐留、丸の内・・・東京都心で相次ぐ再開発のビッグプロジェクト。次々に誕生する東京の新名所に、またひとつ華やかなエリアが加わりました。 このほど完成したグラントウキョウサウスタワーは、東京駅八重洲口開発計画の柱として建設されました。
八重洲駅前広場をはさんで、南北に200メートルを越える超高層タワーが2棟そびえ立っています。低層部に百貨店、高層部にオフィスが入居するノースタワーに対し、サウスタワーは、オフィスフロアが中心です。
きらきらと陽光を反射するガラス製のカーテンウォールをまとった地下4階・地上42階の外観は、まさにクリスタルタワー。未来感覚あふれるデザインは気鋭の建築家・ヘルムート・ヤーンが手がけました。
サウスタワーは東京駅に直結しており、西側には東海道新幹線が、南側にはフォーシーズンズホテルがあるパシフィックセンチュリープレイスが隣接しています。国際都市東京の玄関口に生まれた、次世代型・高機能なビジネスセンターといえるでしょう。
地下1階から地上2階までが商業施設です。地下のグランアージュは、隣接するパシフィックセンチュリープレイスとつながり、和洋中の人気レストランや、コンビニエンスストアが入居。1階には外資系企業のショールームが置かれ、上層階は、金融機関や国際特許事務所、一般企業等のオフィスとして使われています。
設計にあたっては、時代の要請を受けて、オフィスの高機能化を進めながら、省資源・省エネルギーを両立させる、合理的な執務空間づくりが求められました。
省エネルギー対策としては、空調の個別制御や外気量のコントロール、エアフローウインドウを使った空調負荷の軽減、外光をとりいれることによる照明節減を行っています。また、二酸化炭素排出についても、最小化のための努力が払われました。
多様なテナントニーズに応え、電気容量・高速通信を備え、セキュリティについても、非接触型ICカードで入退室を管理。さらに、ビルの安全性・信頼性を高めるため、機械室階をあえて4階に配置して都市災害の影響を受けにくくしました。地震対策としては、日常の風揺れから大地震まで想定した制震構造を採用しています。
八重洲駅前広場に面した南北タワーの中央部には、今後歩行者デッキと大屋根のあるグランルーフの建設が予定されています。2棟のクリスタルタワーを結ぶ新しい都市景観が、赤レンガ駅舎の背景となって、訪れる人を迎えてくれることでしょう。
最先端のビジネスセンターを支える駐車設備として、グラントウキョウ サウスタワー地下に設置されたのが、日精の平面往復方式CSパーキングです。東京駅前という立地、超高層オフィスビルであるという条件から、大量収容でありながら、スペースをとらないコンパクトな構造が高い評価を得たものです。
CSパーキングを3基導入したことで、収容台数は155台(そのうちハイルーフ車は50台)。A号機・B号機にはターンテーブルを内蔵、C号機は通り抜け方式を採用したため、前進入出庫が可能となりました。スピーディな入出庫に確かな安全性。日精の最先端テクノロジーがここでも活躍しています。
乗込階平面図
通り抜け方式のC号機乗込口
通り抜け方式のC号機乗込口
A・B号機乗込口レイアウト
A・B号機内蔵型ターンテーブル